この記事は現在家を追い出されそうな方や追い出された方に向けて生活保護の相談・申請をどう行ったらいいかについて書いた記事です。
こんにちは、元生活保護ケースワーカーの「坂本」と申します。
この記事を読んでいる人の中には借り上げ住宅やアパートを追い出されそうだったり、もう追い出されてネットカフェやスマホから見ていたりする人もいるかもしれません。
家族とも疎遠、助けてくれる友人もいない…どうしたらいいか分からない…。
この場合、生活保護の相談・申請に行くのはあなたの命を守るための最後の手段です。
相談・申請をためらう必要性はありません。
とは言ってもどこに行ったらいいか?
どうしたらいいか?
何もわからない人がほとんどだと思います。
今回は、家を追い出されそう、または既にホームレスになっている人がどのように生活保護を相談・申請すればいいのかについて書いていきたいと思います。
相談先は市区役所・町村役場の福祉課
生活保護を申請するにあたってどこに相談すればいいか。
まず行くべきところは市役所・区役所・町村役場(福祉事務所)です。
役所の福祉課か受付に行って「家がないため生活保護の相談がしたい」と伝えてください。
(課の名称は様々です)
ホームレス状態の人は居所の位置する自治体の役所。
または家を追い出された人については追い出されたアパートや寮のあった役所に行くのが一般的でしょう。
市役所・区役所・町村役場に相談しに行くなら午前中に行くべき
私のCW経験の中で数十人のホームレスや家が無くなった方を対応してきました。
対応する側の人間から言うとできれば午前中のあさイチに相談に来てほしい!
あと一本電話入れてから来てほしい!
と思っていました。
その理由はいくつかあります。
対応に時間をかけることができる
まず相談対応に時間を割くことができるから。
生活保護業務は市役所の中でもトップクラスにせわしないもの。
職員もパンパンの予定の中動いているため、夕方や閉庁ギリギリになると対応に苦慮してしまいます。
次の行先の選択肢が狭まる可能性も
ホームレス状態で相談に来られた場合、職員とりあえず本日の寝床を探すことします。
役所の規模や資源によって異なりますが、その「寝床」は様々。
官民問わずいろいろな施設に送られることになるでしょう。
ただ、この「寝床」を探すための調整作業に時間がかかります。
福祉事務所の職員はこのためにあらゆる施設に連絡し、空き状況を確認します。
この時間的余裕があった方が次に行ける施設の選択肢が増え、より待遇のいい場所へ連れて行ってもらえる可能性があります。
相談時に持っていくべきもの
最後にホームレス状態で生活保護の相談する際に持っていくべきものについて簡単にまとめておきます。
一般的な生活保護の相談(自宅や入院中)の場合における持ち物は別の記事にまとめます。
全部の荷物を持ってくるべき
トランクルームや知人宅に荷物を預けているという特殊な事情がなければ基本的にすべての荷物を持ってくるべきです。
その日のうちにシェルターなどに移送されるのがほとんどですから荷物を取りに行く余裕はありません。
当面の衣服や食品も必要になるでしょう。
もし手に持ちきれない量のものがあった場合、その旨を職員に相談してください。
身分証は必要
運転免許証・健康保険証も含めすべての身分証を持参しましょう。
併せて印鑑(認印可)も持ってくることをおすすめします。
※ハンコ廃止といえども必要になる場合があるかもしれないため
全ての通帳の記帳も行っておくこと
生活保護の申請の際は「申請時点でいくらお金を持っているか」が問題となります。
残金の確認の関係から通帳の提出を求められることが多いでしょう。
このため現在使っていない口座も含めてすべての通帳の記帳または残高証明書の発行をあらかじめ行っておくことをおすすめします。
まとめ:あるもの全部持って最寄りの市区町村役場に行け!
長々と書きましたが、ホームレス状態で生活保護を受給する場合「あるもの全部持って最寄りの福祉課に行く」のが一番です。
この記事を読んでいる家がない、行くところもないという方は、ためらわずに生活保護の相談に行ってください。
命は何よりも優先します。