生活保護(その他)

生活保護に陥りやすいのはどんな人?(雇用面編)

selective focus photography of man facing computer

元生活保護ケースワーカーの坂本です。

生活保護ケースワーカーとして仕事をしている間、さまざまな受給者と関わってきましたが、生活保護の受給を受けやすい方にある程度共通性が見られることがわかってきました。

今回はそんな自分の経験を通じて感じた生活保護に陥りやすい人の共通点について書いていきたいと思います。

今回は、前回の性格編に引き続いて雇用編です。

なお、この記事によって生活保護制度もしくは受給者を非難・蔑視する意図は全くありません。

もしこの中に当てはまりやすい人がいた場合、お金の使いかた等を再考していただければ幸いです。

なお今回の内容を一言で現すなら「正社員じゃないとなかなか厳しいかもよ」という内容です。

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雇用面でのリスク要因

非正規雇用

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非正規雇用者はやはり正社員に比べてリスクがあります。

特に危険なのが短期で工場を転々とするような紹介型派遣労働者です。

この雇用形態は不景気や工場の操業停止などひとたび問題が発生した場合最初にクビを切られる立場になります。

我が国では正規雇用者の解雇が難しいため、非正規雇用の派遣社員を調整弁的に使い捨てるやり方がメインであるといえます。

工場に派遣される労働形態の場合、借り上げ社宅や社宅などに住んでいるパターンがほとんど。

解雇→家追い出し→ホームレスという一瞬で労働者からホームレスに転落するリスクを抱えています。

自営業

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自営業者、特に零細自営業者に関しても生活保護リスクは高いです。

典型的なパターンは「国民年金を掛けずに一生働くんだ!」として夫婦で自営業を続けていたが高齢になり持病で仕事が続けなくなるパターン。

また持病がありサラリーマンが難しいため自営業を続けていたが体調が悪化するパターンなどがあります。

フリーランス

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最近巷で話題のフリーランス。

これもうまくいかなかった場合厳しいといえます。

フリーランスというのは雇用保険や労災保険、企業年金制度など社会保障制度面で会社に雇用されている人間よりも圧倒的に不利です。

自営業同様にリスクをすべてフリーランス側が負担しているとも言えます。

若い世代であっても思わぬ病気や怪我などで働くことが難しくなった場合、いきなり生活保護のお世話になるなんてこともありえるでしょう。

ニート・無職

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ニートや無職は言うまでもなく生活保護のお世話になる確率が高いです。

親元に寄生しているのであれば基本的に生活保護は世帯単位の収入を見て考えることから生活保護の対象となりません。

親が死亡し孤独の身になったときに生活保護の受給を考えることとなるでしょう。

まとめ:正社員以外の雇用形態は生活保護リスクが高い

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生活保護のケースワーカーを続けていた中でいろいろな方と面談してきました。

その中で生活保護の相談に来られて「前職が正社員だった」という人と関わったことは一度もありません。

高齢者は「年金をしっかりかけていなかった自営業者」

現役世代は「工場を転々とする派遣社員」

というのが保護の相談に来られる人の前職で多いものでした。

雇用保険や健康保険の制度の中で当座を凌ぐことができる正社員に比べ、自営業やフリーランス、また非正規雇用という労働形態は仕事ができなくなったときの支援制度が少ないのが事実。

このため最後のセーフティーネットである生活保護によってやっと救い出されるという状態になってしまうのです。

インターネット上では、「派遣社員で気楽に」とか「フリーランスで一攫千金」といった甘い言葉が宙を舞っています。

しかしながら、体調を崩したり病気になったりと不本意な形で仕事ができなくなってしまった場合にリスクが高いというのは間違いないでしょう。

元生活保護ケースワーカー的には「正社員にしがみついておくことが正解」

「現在正社員でない場合は正社員になれるように努力すべし」

というのが結論です。

なかなか世知辛いですね…

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