こんにちは、元生活保護ケースワーカーの坂本と申します。
私はケースワーカーとして生活保護受給者の生活を立て直す仕事をしていました。
さて、生活保護を受給する方には「お金のやりくりに問題を抱えている方が多い」です。
もちろん失業や病気、障がいによって生活保護を受給せざるを得なかった方も多いのですが、そのような方の中でも「もう少し上手にお金をやりくりできていれば…」「この部分の支出は無駄ではないか?」などと思ってしまうケースは何例も。
様々なケースを見ていくうちに「お金のやりくりが上手ではない人の共通点」が見えてきました。
今回はそのなかから5つのケースを取り上げ解説していきたいと思います。
「現在お金のやりくりに困っている」
「節約したいと思っているがなにから始めたらいいのか分からない」
とお困りの方は参考にしていただければ幸いです。
これから改めるべき習慣3選
コンビニで日用品の買い物をする
生活保護を受給している方の中でやりくりに困っており、問題を抱えている方については任意で家計簿の提出を求めます。(この点自治体によって微妙に異なると思われます)
家計簿を読み、支出内容を精査すると必ずと言っていいほど浮き彫りになるのは「すべての買い物をコンビニで行っている」こと。
コンビニを利用するのは節約の観点から言うと悪手中の悪手です。
スーパーやドラッグストアに比べてコンビニの商品は割高
そもそもコンビニの商品はスーパーやドラッグストアに比べて割高。
同じ商品を数十円、数百円高く購入していることになります。
1回あたりの会計金額が安くとも余計な出費がどんどん積み重なっていくことにより支出が増えていってしまうわけです。
そもそもコンビニに行くな
そもそもお金がないのにコンビニに行ってはいけません。
残業や夜勤でどうしてもスーパーが空いていない時間にしか活動できなかったり、他に選択肢がなかったりする場合にのみコンビニを利用するべきでしょう。
コンビニありきの生活を改善し、まずは一週間コンビニに立ち寄らずに生活するとお金が貯まるかもしれません。
一部の方はコンビニに行くことを娯楽と考えている節があるように見受けられます。
有料のATMでお金を下ろす
生活保護世帯の家計簿を確認して次に目立ったのが「有料のATMでお金を下ろす」人の多さ。
これこそなんのメリットもないお金を無駄にする行為でしょう。
手数料代はバカにならない
銀行ATMの手数料は各行や曜日によっても異なりますが150円から300円程度。
これを多いと見るか少ないと見るかは各人の価値観でしょう。
ただ、そもそも無料でお金が下ろせる時間帯やATMがあるにも関わらず引き出し手数料を支払わなくてはならないというのは無駄な出費であることは間違いありません。
お金を下ろす時間の無駄
アルファツイッタラーのように「キャッシュレスが情強www」とは思いませんが、月に何度もお金を引き出すのは無駄な行為と言わざるを得ません。
もちろんキャッシュレスでほぼすべてを支払って「ポイ活」をするのは賢い行為です。
しかしながらそのレベルに至らないマネーリテラシーを持つ方にそれを求めるのは困難。
毎日定額の現金だけを持ち歩く生活をしないと無駄遣いしてしまうレベルの人もいるのです。
毎日定額の現金を持ち歩いて無駄遣いを防ぐ生活をしたほうがいいレベルの人もいます。
コンビニATM→無駄遣いの悪循環
今までで見た最悪なケースは、「数日ごとにコンビニATMでお金を下ろし、そのお金でコンビニで豪遊する」というパターン。
コンビニATMの手数料は銀行が設置しているATMより一般に高額です。
このケースはATM手数料だけで月に3000円も使っていました。
コンビニATMは「ATMで金を下ろすついでに買い物をさせよう」という魂胆で設置していると思った方がいいです。
タバコを吸う
タバコと年収には負の相関関係があることは有名です。
健康を害するだけでなく、金銭的にもデメリットが多いタバコ。
喫煙習慣は節約の敵。できるだけ早く禁煙しましょう。
タバコは既に高級品
タバコの値上がりが止まりません。
2022年の10月にはマルボロ(IQOS)が1箱600円。
私も元喫煙者ですが、この値段で手を出す気にはなれません。
仮に一日1箱マルボロを吸う場合、600円×30箱で18,000円もの出費になります。
1人世帯の生活扶助費(家賃を除いた生活費)は約66,000円。
光熱費などもこの中から支払う必要があるため、仮に生活保護を受給しながらタバコを嗜むならば食費を切り詰めてタバコを吸わないと生活できないでしょう。
仮に働いていたとしても手取り20万円の場合、月のタバコ代1.8万円は全体の1割近くに達するもの。
現在においてタバコは高級品で贅沢品と言っても差し支えないでしょう。
どうしても吸いたいなら手巻きやシガリロに切り替えるのも手
私は学生時代、県外の大学で一人暮らしの貧乏大学生をしていました。
生活保護ケースワーカーになってから気付きましたが、学生時代の私は最低生活費未満で過ごす日々。
そんな中でタバコを吸うために友人と道具を出し合って手巻きタバコで節約をしていました。
日本では手巻きタバコは馴染みが薄いものですが、諸外国では紙巻きタバコに高額な税金が課せられるので手巻きタバコを吸う人も多いとか。
また税制面で優遇されるシガリロに切り替えるのも一つの手。
どうしてもタバコを吸いたいのならばこれらの方策を取ることも検討すべきでしょう。
すぐに改めないと行けないヤバい習慣2選
今までのはあくまでも悪い習慣で、これから改めていけばいいもの。
しかし、これから紹介する2つはすぐに辞めないとヤバい習慣。
すぐに改めてほしいです。
また自分の意志ではどうしようもならない場合は自治体の家計改善支援事業を用いて自治体の専門員と相談しながら今後のプランを考えていくことも検討しなければならないでしょう。
個人からお金を借りる
そもそも借金自体やりくりの観点からすると望ましくないもの。
住宅ローン、消費者金融など借金の方法は様々ですが、特に危ないのは「個人からお金を借りること」です。
個人から少額借りるのはかなりやばい
友人などから少額借りる、いわゆる「薄く広く」お金を借りている人、かなりヤバいです。
まとめてお金を借りないということは自転車操業になっていたり、少額だから最悪踏み倒せるやと考えているのではないでしょうか?
金を個人から借りるということは自分の信用を切り売りしていること。
また少額の金銭でもトラブルになれば命にかかわることもあるでしょう。
自分でも誰に、いくら借りたかわからなくなっているなら既にアウトです。
短期で金を借りるというのは家計のやりくりが崩壊しているということ
「今月厳しいから1万貸してくれ」
これをやっていると月の収支がぐちゃぐちゃになっています。
生活費を短期で借りるということは収入が少なすぎるか支出の優先順位が付けられていないか。
いずれにせよ家計のやりくりが崩壊しているといって差し支えないでしょう。
このレベルになってしまうと専門家に収支のやりくりを見える化してもらうことが必要になってくるでしょう。
なんらかの機関に相談が必要なレベルです。
リボ払いをする
仕組みを知らずにリボ払いをする人の多さ
生活保護の相談時に借金額を尋ねることがあります。
その中でままあるのがリボ払いをしていること。
リボ払いの制度を理解せずにクレジットカードに付帯しているリボ払い制度をなんとなく使っているパターンがほとんど。
元本より利息分を多く支払っている人もたくさんいました。
クレカでの買い物=借金と思うべき
クレジットカードの買い物はその場で金銭を支払っていないため、掛け取引、いわば借金とも言えます。
クレカ払いは便利でポイントも付きます。
ただ、最低限の自制心とファイナンシャルリテラシーを持っていないのであれば現金払いの方が安全とも言えるでしょう。
クレカ破産→闇金パターンも
クレジットカードで知らず知らず借金を重ね多重債務者になり、自己破産をするケースは少なくありません。
自己破産の手続きを行って借金が棒引きになったとしてもです。
今ままでどおり借金を前提とした支出を抑えられず闇金に手を出してしまう人も中にはいます。
まとめ:節約は積み重ねることで効果を発揮する
長くなりましたが、この記事で言いたいことは「小さな節約を積み上げること」です。
節約は行動によってしか実現しません。
小さなことからコツコツと節約していくことで無駄なお金を使わないようになり、ひいてはやりくり上手に繋がっていくことになります。
節約に驚くべき方法はありません。
地道で小さい作業を積み重ねていくしかありません。