元生活保護ケースワーカーの坂本です。
生活保護ケースワーカーとして仕事をしている間、さまざまな受給者と関わってきましたが、生活保護の受給を受けやすい方にある程度共通性が見られることがわかりました。
今回はそんな自分の経験を通じて感じた生活保護に陥りやすい人の共通点について書いていきたいと思います。
今回は前回の金銭面編に続いて健康面編
なお、この記事によって生活保護制度もしくは受給者を非難・蔑視する意図は全くありません。
もしこの中に当てはまりやすい人がいた場合、気をつけていただければ幸いです。
健康面でのリスク要因
タバコ・飲酒
タバコや飲酒をしている方はリスクファクターです。
これらは将来病気になるリスクを向上させます。
また、金銭面的にも財布を圧迫するものです。
特にタバコは値上げを繰り返しており現在では贅沢品といってもいい商品です。
しかしながら喫煙率と年収には負の相関があり、よほどの高齢者を除いては低収入者ほどタバコを吸っているという現状があります。
タバコを1日1箱吸いビールを飲むということは一日1,000円近くをドブに捨てていると同じわけであり、非喫煙者・非飲酒者に対して年間約37万円損をしていることになります。
手取り収入が年間200万円であったら20%近くをタバコと酒に支出していることになるうえ、健康も害すタバコや飲酒は将来的に困窮を引き起こす遠因になる可能性があるでしょう。
自炊をしない
自炊をしない人、生活保護を受給している人に多いです。
正確には自炊をしたことがない、できないという方です。
これらにはいろいろな理由があると思いますが、多かったのが「調理器具を買うお金がない」ということ。
包丁や炊飯器などの調理器具なんてリサイクルショップで揃えれば1万円程度で収まるもの。
しかし、その一万円が貯められない方が多いのです。
今我慢して長期的にお金を抑えることよりも、今日の1000円でコンビニで弁当とタバコビールを購入してしまうのです。
健康診断に行かない
自らの健康に無頓着な方も生活保護受給者の中に多いです。
年収と健康診断受診率には相関関係があります。
健康診断に行く時間的余裕がないという人もいますが、面倒がって行かない人も多いのでしょう。
健康診断に行かないことで病気が重症になるまで気付かず、調子が悪くなって病院に言ったら即入院。
就労不可能となり生活保護を申請するという方も実際私が担当したケースの中にいました。
持病・障がいを抱えている
持病を抱えている方も生活保護のリスク要因です。
もともと生活保護法の前身は障がい者のために作られた法律です。
持病や障がいを長年抱えている場合、健康保険法や年金など他法他施策では対応できないことが多く、最後のセーフティーネットとして生活保護を受給される方は多くいます。
特に精神障がいや発達障がいに関しては身体・知的障がいに比して障害年金相当であると認定されるハードルが高いように思われます。
このため、就労が困難な状況が続いているにもかかわらず、障害年金での対応がなされず、生活に困窮して生活保護を受給するというパターンも多くあります。
まとめ:健康はプライスレス、運動と健康診断を受けましょう
生活保護を受給する方で健康に全く問題を抱えていない人というのはほとんどいません。
仮に健康で仕事ができる状態であれば失業等で生活保護になったとしてもすぐに仕事を見つけて保護廃止につながっていくことになります。
生活保護ケースワーカー時代よく聞かれたのが「まさか自分が…」という言葉。
病気や障がいなど健康を失うことで容易に生活は悪化していきます。
やはり健康は何者にも代えがたいプライスレスなもの。
酒やタバコを控えて運動をするとともに定期的な健康診断によって病気の早期発見を行うことが肝要です。