こんにちは、坂本と申します。
新卒で勤めた田舎の市役所を辞めて、現在は2000人規模の民間企業で人事をしています。
さて、たまにX(旧Twitter)の公務員アカウントで話題となる投稿に「退職しようとしたら市長に引き止められた」というものがあります。
こういった投稿をする人に対して「フェイクだ」「公務員アカウントを騙る偽物だ」といった批判も見られます。
自分は公務員を辞める際、実際に市長と30分面談しました。
結論から言って、町村役場や小規模な市役所では市長と面談することもままあるのではないでしょうか。
面談することになった要因
自分が面談をすることになった理由については下記の理由が考えられます。
出世コースだった
今となっては関係ないことですが、自分はいわゆる出世コースであったのは間違いないと思います。
Uターン就職であったため
- 田舎の市役所の新卒採用者としては学歴がかなり高かった
- 地元の有力者の子弟
- 生活保護ケースワーカーを耐えきったこと
(市役所では生活保護課を耐えると激務出世コースと呼ばれていました)
これらの理由から当該役所での出世コースを歩んでいたことは間違いありません。
実際に色々な役職者から「君は出世コースだ」と言われてたのでこれが大きな要因でしょう。
ただ、近隣自治体からバカにされるブラック自治体でしたのでそんなところで出世する意欲はもともとありませんでした。
野球で例えるならば勤めていた市役所は良く言って独立リーグ。
独立リーグで4番エースをやるよりもプロ野球で下位打線を打った方が名誉も年俸も多いですからね。
霞ヶ関への出向が予定されていた
確定ではないですが、次に霞ヶ関への出向が予定されていたのも要因のひとつでしょう。
勤めていた市役所では新卒若手有望株が数年間霞ヶ関に出向するという不文律がありました。
その次の番が予定されていたのです。
前の人事部長から打診されていたこともあり、人事としても予定が狂ったのでしょう。
※遠回しな根回しも自分が役所を嫌っていた理由でもあります。
突然退職を切り出した
退職の数ヶ月前に退職届を提出し、すぐに引き継ぎを行い有給消化を行いました。
次の仕事が決まっていた訳でもありませんが、やってられない気持ちがとても大きく、退職届を提出しさっさと有休消化に入ることとしました。
人事にも当たり障りのない退職理由を伝えていたため、市長としては退職の本当の理由、本心を聞きたかったのではないでしょうか。
当該部署の上長がパワハラで有名だった
最後に所属していた部署の課長がパワハラで有名な人でした。
上に媚びて下にパワハラする典型的な小役人です。
当然悪い噂はトップにも伝わっていたでしょうから上述の退職理由がパワハラによるものか確認したかったのではないでしょうか。
もっとも、その部署では自分はパワハラの対象には入っていませんでした。
ただ、被害者への怒鳴り声を聞くことで萎縮するなどの迷惑はしていました。
※民間企業に入ってそれが環境型パワハラというものに該当することを知りました。
なお、退職届を出してから課長は一度も口を聞いてくれませんでしたが。
市長との面談で聞かれたこと
面談では人事部長に伝えていた退職理由を再度確認されました。
自分としてはもう辞めることを決めたわけであり、仮に課長による他職員へのパワハラを訴え出たり、サビ残の強要を暴露したりしても自分自身の何かが変わるわけでもなく、とっとと退職金を貰って縁を切りたかったです。
このためあたりさわりのない話を30分程度されました。
市長から「年次から考えて将来をになっていく君のような職員が辞めることは損失である」と言っていましたが、「じゃあ辞められない方策を取っておけよ」という感想しか出ませんでした。
そもそも退職届を出す前に人事や上長が定期的に面談すべきですよね。
他の退職者は面談をしていなかったらしい
ちなみに、現在でも何名か退職した職員や人事部周りの先輩などとも関わりがありますが、市長と面談をしたのは自分だけだったとのこと。
やはり出世コースの人員が突然辞める形となったのが一番大きい理由でしょう。
総評・・・小規模自治体なら退職時に首長との面談はありうる
自分は現在2000人規模の民間企業で人事をしていますが、当社で代表取締役が退職する平社員と面談するということは聞いた事がありません。
せいぜい人事部長との面談ぐらいが関の山です。
同じように職員数が1000名を超えるような自治体では首長との面談はまずもってありえないと思われます。ただし、正社員数で400名を下回るような小規模な自治体ならば、場合によっては首長面談はありうるかもしれません。自分のように。