元生活保護ケースワーカーの坂本です。
生活保護ケースワーカーとして仕事をしている間、さまざまな受給者と関わってきましたが、生活保護の受給を受けやすい方にある程度共通性が見られることがわかってきました。
今回はそんな自分の経験を通じて感じた生活保護に陥りやすい人の共通点について書いていきたいと思います。
今回は、前回の雇用面編に引き続いて金銭面編です。
なお、この記事によって生活保護制度もしくは受給者を非難・蔑視する意図は全くありません。
もしこの中に当てはまりやすい人がいた場合、お金の使いかた等を再考していただければ幸いです。
金銭面でのリスク要因
貯金が少ない
当然ですが貯金が少ないと生活困窮リスクが上がります。
それなりに給料をもらっているのに貯金ができない人はお金の使い方に問題があるといえるでしょう。
毎月一定額を積み立てることができない人、貯金をしていない人、入ったお金を全部使ってしまう人は将来的に生活に困窮するリスクが高いといえます。
金遣いが荒い
金遣いが荒いのは将来の生活困窮リスクを上げる大きな原因です。
この金遣い、収入が多い少ないは関係ありません。
収入が少なくとも慎ましく生活することができる人は老後もそこまで困窮する印象にありません。
宵越しの銭は持たないで生きて行くのは現代において困難です。
コンビニで買い物をする
コンビニで買い物をする人、生活保護受給者に多いです。
生活保護ケースワーカーとして受給者に対して支出の見直しをするために家計簿の提出を行うこともあります。
その中で共通しているのが「コンビニで買い物をする」こと。
住んでいるところを鑑みるにコンビニよりもスーパーやドラッグストアの方が近いにも関わらずコンビニで買い物をするのです。
当たり前ですが、コンビニはその他の小売店よりすべての物品が一般に高価。
給料の金額を上げることは難しくとも支出を下げることは可能です。
隣のスーパーやドラッグストアに行くという考えがなく、日用品ですらコンビニで購入するような方は生活を改めたほうがいいでしょう。
各種ポイントを理解していない
現代は楽天ポイントやペイペイポイント、スーパーやドラッグストアなど様々なポイント制度があります。
いわゆる「ポイ活」を行ってお得に買物をしている人も多いことでしょう。
しかしながら、生活保護になりやすい人というものはポイント制度を理解していない人が多いと思います。
「めんどくさいからポイント制度を使わない!」という人ならまだしも、「なんか難しそうでよくわからない」程度の理由でポイントを使わない・貯めない人は要注意でしょう。
自分もポイントカードを持ち歩いたりするのが面倒なタイプですが、基本的に支払いを楽天カードに統一しています。
楽天カードは100円ごとに1ポイント加算され、1ポイント=1円として引き落とし額の統制にも使えます。
つまり、楽天カードを使うことで1%引きで商品を購入することができていると言えます。
私の年間支出は200万円ほどなので、2万円分はポイントとして還元される計算です。
自分のようにポイ活意識低い勢ならば楽天カードで支出をするように心がけるだけでも節約に繋がりますよ。
リボ払いとか考えもなくお金を使ったら元も子もないですが…
有料のATMから何度もお金を引き出す
先述した通り、生活保護ケースワーカー時代にお金のやりくりが難しい人の生活相談に載ってきました。
家計簿をつけてもらって確認したところ、コンビニのATMからお金を何度も引き出していました。
多い人では3日に1回ぐらいのペースです。
コンビニATMは手数料がかかるところがほとんどです。
ひどいときには1000円を引き出すのに180円の手数料がかかっていることも。
つまり、月に10回、1800円の手数料が掛かっていたのです。
生活保護費のうち生活費にあたる単身者の場合、その金額は年齢、地域によって異なりますが約6.6万円。
生活費の3%近くがATM手数料という無駄に消えていたわけです。
まとめ:マネーリテラシーの問題を自ら改善するのは難しいだろう
生活保護に陥りやすい人はマネーリテラシーの問題を多く抱えていると思います。
一般にマネーリテラシーは幼少期のおつかいから徐々に育まれていくものだと思います。
しかしながら、成人してからマネーリテラシー、金銭感覚を修正するのは実際問題難しいでしょう。
とりあえず、毎日家計簿を付けること、給料をもらったら積立分をすぐに別の口座に移す、一日に使う金額を決める(1000円札しか持たずに出かける)など小さなことから始めていくのがいいのではないかと思います。